「動刻」の基本機構は、空気を力の媒体として圧縮空気でアクチュエータを動かす「空圧システム」です。
空圧システムは、油圧・水圧といった他の流体システムに比べて安全性が高いことが利点です。
・漏れなどによる汚染がなく、損傷時も被害が最小限で収まる
・空気には弾力があり外力に対し抵抗が少ないので、「動刻」が障害物や人に当たった時にも、対象への危害が少ない
また、特殊ゴムで全身を切れ目なく覆う造形方法の場合、リアルな生物の体表に空気孔などを設けることは困難です。放熱用の空気孔を必要とするモーターなどと比較して、以下の利点があげられます。
・発熱が少ない
・磁場の発生がない
・騒音がない
この空圧システムに、サーボバルブを経由してアクチェータを精密に制御できる機能をプラスしたのが『エアサーボシステム』です。
空気の「圧縮する」という性質は、力の伝達の遅れや、弾性による反動など、制御が非常に難しい媒体です。
ココロでは独自に開発したエアサーボ機構と制御システム、独自のパラメータ調整により、繊細なアクチュエータ制御を可能にしました。
このなめらかさで緩急のある多彩な動作、スピーディでパワフルな表現力により、体長7mの恐竜ロボット・ティラノサウルスは、より一層のリアルさと迫力を獲得しました。
ティラノサウルス
また人体型ロボットの体内に組み込めるまでのシステムの小型化も実現。 スリムな女性のスタイルを維持しつつ、リアルでなめらかなしぐさを表現する『アクトロイド』の開発に至っています。